ヨーロッパの移動は、鉄道よりLCCの方が安いケースがままある。LCCの中でも最安料金で、最も面倒なのが、アイルランド系ライアンエアー。
例えば、パリ~バルセロナ間の片道料金を、フランス国鉄とライアンエアーで単純比較すると、鉄道が100€以上するのに対し、LCCでは20€以下になる事も。ただし安価にはそれだけの理由もある。搭乗までの注意点をまとめてみた。
※情報は2013年9月時点のもの
※情報は2013年9月時点のもの
①チケット購入
基本的に予約時期が早いほど料金は安い。安さを追求する旅なら、旅程が決まり次第チケットを取るか、キャンペーン料金に合わせて旅程を決めるか、のいずれかになる。ライアンエアーのサイトはこちら。
[検索結果]
往復する都市と日時を指定した検索結果の画面 |
[オプション]
オプション追加毎に料金が加算される |
例:11kg以上の荷物を預ける場合の料金 |
荷物は10kg以下のみ無料。制限を超えると、チケットより追加料金の方が高くなる事もあるので注意。基本的に全席自由席なので座席は早い者勝ち。ただし、有料(10€)で座席指定もできる。
追加オプションを促す画面をクリアすると、支払い画面に進む。連絡先とカード情報を入力し、表示の合計金額を最終確認して「購入」ボタン押下。
[支払い画面]
一般のECサイトと同じ決済画面 |
②オンラインチェックイン
チケット購入完了後、ライアンエアーから確認メールが届き、事前のオンラインチェックインが必要である旨明記されている。
確認メール内の「Manage Booking」のリンクから予約管理ページに遷移してチェックイン手続きを進める。チェックインが可能になるのは、フライト日の15日前以降。
予約管理画面では、ラジオボタンで「オンラインチェックイン」を選択し、予約者情報を入力する。
予約管理画面では、ラジオボタンで「オンラインチェックイン」を選択し、予約者情報を入力する。
[Manage Booking]
赤枠部分を記入する |
搭乗者の氏名、パスポート情報、チェックインするフライト(往路/復路)などを入力。チェックインが完了すると搭乗券の画面が表示される。これを印刷した用紙が搭乗券になる。
◆注意事項
その1:
搭乗券をA4で印刷して持参する。印刷は白黒でも可。プリントが無い乗客には40€のペナルティが科せられる。スマホの画面の提示は却下される。
搭乗券をA4で印刷して持参する。印刷は白黒でも可。プリントが無い乗客には40€のペナルティが科せられる。スマホの画面の提示は却下される。
その2:
空港チェックインカウンターでVISAチェックを受け、必ず搭乗券にスタンプを押してもらう。これが無ければ搭乗が出来ない。
空港チェックインカウンターでVISAチェックを受け、必ず搭乗券にスタンプを押してもらう。これが無ければ搭乗が出来ない。
赤の○枠内がスタンプ |
その3:
機内に持ち込めるバッグは1人1個のみで、あとは小鞄すら許されない。
またサイズに規定があり(55cm x 40cm x 20cm)、これを超える事も許されない。
機内に持ち込めるバッグは1人1個のみで、あとは小鞄すら許されない。
またサイズに規定があり(55cm x 40cm x 20cm)、これを超える事も許されない。
(例)パリ ⇔ バルセロナ
ポルトマイヨーのバス乗り場にチケットの販売窓口がある。往復切符の料金は32€ (16€×2) と割引適用は無いが、ボーヴェ空港に戻ってきた際にバスチケット窓口が混むので、予め買っておくのは無駄ではない。バスは満席になった時点で次々に発車していく。
自分の時は、ポルトマイヨー広場に着いたのは早朝5時15分で、その15分後には出発できた。渋滞が無ければ空港までは1時間ほどで着くが、通勤ラッシュにつかまったりすると、2時間以上掛かる事もある。シャトルバス案内はこちら。
シャトルバスはボーヴェ空港ターミナル1のそばに到着する。欧州方面の便はターミナル2。両ターミナル間は歩いて2, 3分の距離。飲食店など一通りの施設は整っているが、早朝は閉まっている店が多い。
バルセロナ エルプラット空港(El Prat / BCN)のライアンエアーカウンターは、ターミナル2-Bにある。ターミナル1と2の間は、シャトルバス移動(約10分)が必要な距離なので、間違えないようにしたい。ターミナル2はA-B-C各棟に区分されているが、それぞれは徒歩圏内。
バルセロナ市内から空港(T2)までは、発車地点にもよるがタクシーで約30〜40€、所要時間15分〜30分。
チェックインカウンターでは、VISAチェックを受け搭乗券にスタンプを押してもらう。持ち込める荷物は1つだけなので、小さな鞄は大きな鞄に押し込むなどの対応が必要。
カウンター付近には手荷物のサイズチェックができる器具がある。バルセロナではこの器具に加えて、職員が規定サイズと同型の箱を持ち歩き、それを乗客の荷物の上からすっぽり被せて大きさを測っていた。
手荷物サイズチェック器 |
機内の荷物棚のスペースは小さく、乗客全員分の手荷物を収納出来ない。なので手荷物を座席の下に置きたくない人はゲートに早く着き、搭乗し易いポジションを確保しておいた方が良い。プレミア料金を払って優先搭乗の権利を購入する事もできる。
離陸もしくは着陸時にオンタイムを達成すると、機内に晴れやかなファンファーレが鳴り響く。シェンゲン協定によりフランス、スペイン各空港でのパスポート検査は無く、到着後すぐに市内へ移動できる。
<まとめ>ライアンエアーの使い勝手
制限事項は多いが、ルールに慣れてしまえば、荷物の少ない旅行者にとっては特に利用価値が高い。職員の対応も概ね問題無かった。既存の大手航空会社利用時は、乗客は「おもてなし」を受ける立場に有りがちだったが、LCCでは「安く運んでもらう」ととらえ、多少の手間は割引の対価と発想を転換すべき。
各社LCC共通の難点は、フライト時刻の不便さと空港までの距離の2点。
深夜早朝の便だと空港までの移動手段はほぼタクシーに限られる。LCCの発着空港が市内から遠距離の場合も多い。深夜到着あるいは未明出発でしんどい思いをした挙句、市内への移動代もかさむのなら、安いはずの航空券が高くつく事もある。
空港までの交通費、フライト時刻、荷物量(追加料金は高額)、機内の利便性(機内食/毛布/エンターテイメント無し etc)など、最初のチケット料金に表れない要素を見落とさず、自分のニーズに対してペイするかどうか、一旦検討してから購入を決めるべきではあるだろう。
♯ チケット料金(パリ~バルセロナ往復)
Total Fare | 25.98 EUR |
Taxes, Fees & Charges | 0.00 EUR |
Administration Fee | 14.00 EUR |
Credit Card Fee | 0.80 EUR |
Total paid | 40.78 EUR |
♯ パリ~バルセロナ間移動詳細
<往路> Ryanair 6375
Paris BVA
8:35
Barcelona BCN
10:20
(ボーヴェ空港まで)
・ホテル出発(5:00)→ポルトマイヨー広場までタクシー =19€(約15分)
・ポルトマイヨー広場~ボーヴェ空港 シャトルバス =16€(約1時間)
<復路> Ryanair 6374
Barcelona BCN
6:10
Paris BVA
8:10
(エル・プラット空港まで)
・ホテル出発(4:00)→エル・プラット空港までタクシー =28€
・ボーヴェ空港~ポルトマイヨー広場 シャトルバス =16€